軍艦島資料館
先日、長崎市野母崎町にある軍艦島資料館へ行ってきました。
長崎市内から車を走らせること30分余り、国道499号線から海を右側に見ていると、小さな軍艦の形をした島が肉眼ではっきりと見えてきました。
小さな岩の瀬だった端島は1810年に石炭が発見され、1890年から三菱合資会社が本格的に海底炭鉱として発掘を開始します。出炭量が増加するにつれ島は6回に渡って埋め立てを行い、日本で最初の鉄筋高層アパートが立ち並び、堤防を巡らした今日の形状になりました。その外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになり、最盛期は一周1.2kmの小さな島に5300人が暮らし、当時の東京の人口密度の9倍もあったというので驚きです。
軍艦島資料館には当時の写真約250点やジオラマが展示されていて、当時の島の生活の様子を伺うことができます。炭鉱者の家族のために学校や病院、商店や映画館、パチンコホールなどの娯楽施設も整っていましたが、緑のない島だったのでアパートの屋上に土を運び、花や野菜を育てたそうです。
軍艦島は1974年に閉山した後は無人島になっていましたが、2009年には世界遺産暫定リストに掲載され見学ツアーも開始されて上陸できるようになり見学者で賑わっています。
長崎半島から沖合い4.5kmの小さな島が、生活する人々の工夫と当時の最先端技術により、とても近代的に発展していったことがよく分かりました。いつの日か軍艦島へ降り立ち、間近で島を感じたいと思っています。(N)
軍艦島資料館から撮影した軍艦島
軍艦島資料館のパンフレット