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広重「駿河三保之松原」

2013-08-27

開館前にお墓参りに行ってきました。お盆以来気になっていて、昨日の休館日を予定していたのが、結局行きそびれて今朝になりました。早朝のお墓は厳かな雰囲気で気持ちが静まります。墓地から見下ろす橘湾も今朝は波静かでした。

橘湾を望んでいてふと、このたび世界文化遺産に登録された富士山のことが頭に浮かびました。待望の登録に日本中が沸き登山者も多くなり、規制が必要なほどになってきています。私も十数年前に東京で中学時代の同窓会があった時、都内在住の世話係がマイクロバスで仲間たちを5合目まで案内してくれたことがあり、名峰富士の地に初めて立って感激を受けたものです。

富士山の浮世絵は、北斎や広重がたくさん描いていて、特に北斎の「富嶽三十六景」の「凱風快晴」(愛称赤富士)、「神奈川沖浪裏」や「山下白雨」などは世界的にも有名です。また、広重には「富士三十六景」シリーズの中に、富士山とともに世界文化遺産に登録され話題となった「三保の松原」を描いた作品があります。三保の松原は、駿河湾を挟んで富士山が美しく見える場所としての景勝地であり、また天女が羽衣を隠されて天に帰れなくなった羽衣伝説でも有名なところです。

広重は、富士山と三保の松原を鳥の眼のように高い位置から俯瞰で広い範囲を描いています。当館では現在、広重の「駿河三保之松原」(復刻版)を展示中です。ご来館の方は是非ご覧になってください。

1377573290_img002広重 富士三十六景「駿河三保之松原」