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古書

2013-09-14

昨日、美術館受付内の本棚を整理していたら、棚の一番下の片隅に参考文献の一つとして入手していた古本があることに目が留まりました。

どのようなものだったかなと手にとって何気なくページをめくり奥付を見ると、ゴシック文字で「定價拾八圓、賣価拾八圓七拾錢」とあり、その定価と売価の間に小さく読みづらい文字で「特別行為税相當額 七拾錢」と記してあるのに気づきました。

へえー、何か今の消費税みたいだな、昨日の新聞では安倍総理は消費税増税を法律どおり来年4月から実施する考えを固めたと報道されていたな等と考えながら、「特別行為税」がどのようなものか知らなかったので、早速ネット(国税庁ホームページ)で調べてみました。

この本は昭和18年8月31日発行のもので、かなり前に東京の古書店から取り寄せていたものですが、結構痛みがあり、また汚れもあってあまり触りたくなかったので、当時、ぱらぱらと目を通しただけでそのまま棚に仕舞い込んでいたものです。

しかし今回、この本の風景版画と共に思いがけないことを一つ物知りになりました。

1379130354_CIMG4981「日本風景版画史論」(楢崎宗重 近藤市太郎共著 アトリエ社発行)