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二人の武蔵

2013-09-26

大映映画のDVD三本セットのうちの一本は「二人の武蔵」でした。

五味康祐の原作を渡辺邦男と吉田哲郎の脚本で、渡辺邦男が監督した1960(昭和35)年公開作品です。ポスターの惹句に曰く「剣聖を斬り、剣鬼を仆し、剣客を葬り、今ぞ対決する二人の武蔵の必殺剣 ! 」。

主演の平田武蔵に長谷川一夫、もう一人の岡本武蔵に市川雷蔵。武蔵と言えば佐々木小次郎だが、これに勝新太郎。物語のクライマックスは、巌流島で佐々木小次郎に勝利した平田武蔵が、最後に阿蘇山を舞台にしてこれまで何度なく勝負を迫ってきていた岡本武蔵と対決する。対決の結果、平田の二刀流によって右手の腕を切られた岡本が刀を握れなくなり観念して殺せと言うのを、人を斬ることばかり考えていた者が己の死に直面し生きることを悟った、これからは好きな女と全うに生きよ、と諭す平田武蔵。

その後のやり取りは、立ち去ろうとした平田武蔵に向かって、岡本武蔵が「平田、お主、何処へ行く。」 これに応えて平田武蔵は「私はお主の武蔵の分も背負って行こう。・・・・・さらばじゃ。」と格好いい終幕。

既に、長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎の三人とも故人となっていますが、もう一人、大映映画の大作・釈迦や柔道物で主演し、やはり故人である本郷功次郎が夢想権之助の役を演じて三人と絡んでいます。

五味康祐のこの小説は読んだことがなく、またこの映画を観た記憶はありませんが、映画娯楽の華やかな頃、大映の男優看板スター4人が出演している映画、結構楽しめました。

1380158008_img001DVD「二人の武蔵」ジャケット