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「富本憲吉自刻木版画展」の始まりです。

2013-10-02

「富本憲吉自刻木版画展」が始まりました。

先日の土盛り怪獣(本当は「恐竜」だそうです)さんの作品で、私たちに“おじぃーばか”と“おばぁーばか”の喜びを与えてくれた孫たちが帰った日曜日の美術館閉館後は、「富本憲吉自刻木版画展」の展示替え作業でした。

今回の展示は開館一周年に続いて2回目の開催となりますが、6年ぶりに展示する作品を見ながら感慨に浸っています。前回は開館して日も浅く、ただ展示するのに夢中で、富本木版画の1点1点をそんなに注意深く向き合っては見ていなかったようです。

美術館開館前には、彼の陶芸作品の展示は東京などで何度か鑑賞し、また開館してからは山口県立萩美術館・浦上記念館で開催された「生誕120年 富本憲吉展」の大展覧会を鑑賞し、またこの間、彼に関する資料や文献や著作本などを入手し目を通して、何故、彼が人間国宝に認定されたのか、が少し分かったような気持ちを持ちました。

近代陶芸の巨匠と称される富本憲吉は、木版画や装丁、染織、革細工、金工、木工等の工芸デザインや室内装飾などさまざまな分野で活躍し、陶芸部門では独創的で誰も真似出来ない数多くの秀逸な作品を制作しています。その半面、一般大衆向きの小作品もたくさん作り残しています。

浮世絵版画展示を主とする当美術館が、数多の富本作品群の中から木版画13点に限っての展示ですが、皆様にこの展示から巨匠の何かを感じてもらえれば幸いです。