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長崎歴史文化博物館「魅惑の清朝陶磁展」

2014-02-20

長崎歴史文化博物館で開催中の「魅惑の清朝陶磁 長崎 そこはやきものの美が行き交うクロスロード」展(3/3まで)を鑑賞しました。

鎖国体制下にあった江戸時代の日本は、海外文化の輸入にも制限があり、当時の中国陶磁器の需要では少なく輸入された品は大変貴重だったそうです。しかし、近年の遺跡発掘で、長崎の出島には相当量の清朝陶磁器が輸入されていたことが明らかになり、日本国内のやきもの作りにも影響を与えていたことがわかりました。

展覧会では、旧家に伝来した名品や出土品、沈没船からの引き揚げ品などを交え、清朝陶磁と日本の陶磁を比較しながら展示紹介してありました。

中でも、日本人を魅了し日本の陶工たちが挑戦した清朝陶磁を代表する粉彩技法の撫子色(ピンク)を使った美しい「粉彩牡丹唐草文角皿」や、ヨーロッパで高い評価を得ていた伊万里焼を模倣した「五彩浮世絵蓋壺」などが目を惹き、これらから中国と日本の両方に影響し合い、常に新しいものを生み出そうとした跡が見てとれました。

予想を超える華やかさや精巧さのある清朝時代の陶磁器を、心いっぱい楽しむことができた展覧会でした。(N)

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