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爽やかな三種活け

2014-05-29

先日の華道は、フトイとツツジとトルコキキョウの三種活けでした。

フトイは高さ2mにもなる水生植物で池や沼に群生しています。茎先に茶色の小穂を6,7個つけ、茎は細ネギを少し太く長くしたように直線的で感触も似ています。

池坊で伝花に指定されているフトイは、一種活けの場合、メダカのように小さい魚が八の字を描くように泳いでいるかのように生ける「魚道生け」で活けますが、今回は三種活けなので真にフトイを使いました。また、お生花では一般的に足元を綺麗に揃えて一直線上に挿していきますが、フトイは交差させながら丸く挿します。これは伝花の名残りを見せるためと茎がひょろりとしているので交差させることにより安定感が出るからです。

小さい新緑の若葉が大変美しいツツジを真の後ろあしらいと副に、トルコキキョウを体に使い、爽やかな初夏のイメージの三種活けが出来上がりました。

ご来館の方にも“綺麗な生け花ですね”、“ツツジが綺麗”などと、お褒め頂いております。(N)

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