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小崎侃の「平成富士」

2014-06-04

雲仙普賢岳の大火砕流から23年となった昨日6月3日。

43人の尊い命と島原半島の人々の生活を奪った災害の記憶を風化させることなく後世へ伝えるため、そして笑顔や元気を取り戻してもらいたいと、版画家・小崎侃先生は島原半島に因んだたくさんの作品を制作しています。

その中でも、当館で常設展示している「平成富士」は代表作で、主版を黒墨で摺り、手彩色で彩色した50号もある大画面の堂々たる版画です。平成新山は赤く燃え噴火していますが、裾野には彩り豊かな田園が広がり平和な世界が描かれています。そして山頭火の俳句「山あれば山を観る・・・」を組み合わせ、春夏秋冬いつでも良い日でありますように、と侃先生の願いが込められています。

ご来館の際には、作品に込めた先生の魂を感じてご覧になってください。(N)

img092-1 - コピー小崎侃「平成富士」50号