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「ニューヨーク・ボストン旅行記」2

2008-08-17

2 東京都美術館「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」

オランダの小都市デルフトで生まれ育ったヨハネス・フェルメールを始めとして、レンブラントに天才と称され、フェルメールの師であるとの説もあるカレル・ファブリティウスや、デルフトに特有の技法を確立させたピーテル・デ・ホーホ など、「デルフト派」と称され世界的にも稀少で非常に評価の高いオランダ黄金期を代表するデルフトの巨匠たちの名作の展覧会です。

フェルメールやデルフト派の特徴は、それまで西洋画では取上げなかった日常的な風俗を主題に選び、光と色彩を鋭敏に使った空間の巧みな表現、そして線的遠近法及び空気遠近法などを駆使した特徴的な風俗画を好んで描いています。

フェルメールは、私の好きな画家の一人です。彼の現存作品はほんの30数点といわれる中、この展覧会はフェルメール初期の作品で唯一の宗教画『マルタとマリアの家のキリスト』や珍しい神話画の『ディアナとニンフたち』、現存する 2 点の風景画のうちの 1 点『小路』、近年フェルメール作と認定され大きな話題となった『ヴァージナルの前に座る若い女』、そして晩年の優品『手紙を書く婦人と召使い』等日本初公開5点を含む計7点が一挙に公開されており、光に満ちた美しい空間が魅力ある拡がりを見せていました。

今回、国内で7点ものフェルメール作品をまとめてみることが出来る贅沢な機会を持てたことに満足感を感じると同時に、静かに澄んだ光と優しい穏やかな色彩の作品の中に何ともいえない心地良い気分になりました。

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