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ボストン美術館 浮世絵名品展

2008-08-31

昨日、両親が福岡市美術館で開催中の「ボストン美術館 浮世絵名品展」を鑑賞に出かけました。

国外では世界一の質の高さと数量を誇る浮世絵版画のコレクションを有するボストン美術館所蔵作品の中から、厳選された約150点の浮世絵版画、肉筆、下絵、版本等から構成された美術展です。その大部分が日本未公開の美術館秘蔵の浮世絵版画群は、いずれも摺りや保存状態が良い作品ばかりで華麗な色彩美を観ることができ、たくさんの来館者があったとのことです。

この展覧会は、「1.浮世絵初期の大家たち 2.春信様式の時代 3.錦絵の黄金時代 4.幕末のビックネームたち」と4つに時代分けをし、初期浮世絵版画の誕生から幕末までの展開を主要流派と絵師の作品により通覧出来るようになっていて、なかでも、版画作品は館外持ち出し禁止のスポルディング兄妹のコレクションから、菱川師宣『美人絵つくし』、勝川春章『三十六歌仙』、北尾政演(山東京伝)『吉原傾城新美人合自筆鏡』のハイクオリティな3点の絵本が特別出品されていたそうです。

それに、ボストン美術館内でもこれまで展示されたことがない礒田湖龍斎の『雛形若菜の初模様シリーズ』では、吉原の遊女が正月に着る着物にスポットを当てた揃い物で、工夫を凝らした様々な文様の着物は、豪華で艶やかな画面をつくっていました。

浮世絵の退色しやすい紫や朱の色、その他の色や雲母が摺りあがったばかりの初々しさを留めている華麗な作品群に感動し、浮世絵史を体感するとともに江戸文化のダイナミズムを感じることが出来たそうです。

また、常設展示では、この浮世絵名品展を記念して特集展示されていた「近代木版画」の伊東深水と小早川清の各美人画、吉田博の風景画、恩地孝四郎・平塚運一・川上澄生・徳力富吉郎などの創作版画、そして棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子や石川寅治の作品等、自分たちが好きな作家やその作品を思いがけずに堪能できて大満足だったとの土産話でした。

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