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広重の「名所江戸百景」

2007-07-24

先日、広重の「名所江戸百景」について書かれた新刊の原信田 実著『謎解き 広重「江戸百」』を読みました。

当館でも、何点か常設展示をしている広重の作品「名所江戸百景」は、江戸の名所118ヶ所を描いたシリーズ物で広重最晩年の代表作です。ゴッホが模写したことでも有名な「おおはしあたけの夕立」や「亀戸梅屋敷」などは、このシリーズの作品です。

この『謎解き 広重「江戸百」』は、江戸時代の歴史を紐解き、江戸末期の社会情勢と比較しながら名所絵作品一つひとつについて詳細に新説が打ち出されております。今まで「名所江戸百景」については、構図の大胆さや表現の素晴らしさ、彫・摺の高度なテクニック等についてはいろいろ解説論議されてきたものの、絵の制作と時代背景を事細かに比較し論説したものはなかったかと思います。

親しみの持てるシリーズ作品「名所江戸百景」の新たな魅力が発見出来るかも知れません。この新刊を手にとって見てください。

歌川広重 名所江戸百景「両国花火」

歌川広重 名所江戸百景「浅草金龍山」