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ヒオウギ (檜扇)の一種活け

2014-07-18

華道のお稽古でヒオウギの一種活けを習いました。

華道に使われる花材は、活け方に特徴がある時季のものが準備されています。毎年同時期に難易度の高い同じ花材がくることもありますが、ヒオウギのように花によって活け方が異なるもので一度は習っておくべき花材の時もあり、決まり事はありますが一度で覚えられる比較的シンプルな活け方です。

ヒオウギはアヤメ科の植物で、夏に開花し鮮やかな朱橙色の花びらに赤い斑点が映える美しい花を咲かせます。花は朝に咲き夕方には萎んでしまう一日花です。厚みのある剣状の葉は何枚も重なり合い広がっています。花後は果実をつけ、秋になると実から黒くつやつやした「ぬばたま」と呼ばれる種が出てきます。和歌で黒や夜に関する語にかかる枕詞「ぬばたまの」は、この種の黒色からきていると言われています。日本では古くから親しまれており、京都では祇園祭には欠かせない花として愛好されているそうです。

先生から神社の巫女が舞う時に使う扇に似ていることからヒオウギ(檜扇)の名前がついたと説明がありましたが、一目で納得できる形をしています。今回は、5本のヒオウギを葉の重なりが扇のようになるよう隙間なく重ね合わせ活けていき、一枚の扇に見立てて活けると出来上がりです。

また、漸く「師範」の免状が手元に届きました。益々精進するのみです。(N)

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