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西友諫早店の閉店

2015-05-01

5月始まりの今日は全国的に晴れ渡り、美術館のあいの丘でも心地よい風が吹いています。

西友諫早店が、昨日4月30日で閉店しました。振り返れば、私が35、6歳の時の冬に開店し、当時、「おいしい生活」などのキャッチコピーで日本の文化発信の先端を走っていた西武百貨店系列の諫早出店は、私の日常生活範囲の中に入ってきて、心躍るものがありました。とりわけ、西友経営者の堤清二さんが私の元大学職場の理事ということもあって親しみを持ち、この間、諫早に出たときなど時間があれば立ち寄っていました。

西友諫早店の開店セールには、当時小学生だった娘たちと一緒に出かけ、どの売り場もたいへんな人出で、娘たちは押し潰されそうになった記憶があります。またその際、開店を記念し4階特別ホールで開催されていた「ミケランジェロのヴァティカン壁画 岡村崔写真展」に一家5人で入場しましたが、ここもものすごく混み合っていて人の熱気に悪酔いしそうで、まともに鑑賞できませんでした。そこで、せめて図録だけでもと思い、特設売り場の長列に並んで買った図録が、私の美術参考文献収集の第一冊目となりました。

それからは、特別ホールを会場として催された「中国語講座」に6年生だった長女が参加したり、私も夜間に開講されていた「社交ダンス教室」や「中国語講座」を仕事帰りに受講したりして、また紳士服売場には当時、高倉健が宣伝モデルをしていたレナウンのSIMPLE LIFEコーナーなどもあって(商品は閉店時まであり)、西友諫早店は身近な存在でした。

堤清二さんが一昨年、高倉健さんも昨年亡くなり、またこの度は西友本社の全国不採算店の閉店方針に伴って諫早店が営業終幕となり、何か私の気持ちの中から完全に一つの時代が遠くになってしまい、残念な思いがしています。

 

「ミケランジェロのヴァチカン壁画」の図録

「ミケランジェロのヴァティカン壁画」の図録

「ミケランジェロのヴァチカン壁画 岡村崔写真展」チラシ

「ミケランジェロのヴァティカン壁画 岡村崔写真展」チラシ