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千々石の海岸

2015-05-11

先日、遊びに来た孫たちを千々石海水浴場海岸へ連れて行き、一緒に砂浜に下りて気づいたのですが、現在は海水浴場前の砂浜にも大小の丸い石が帯状にゴロゴロと散らばりつつありました。

昨年末に来たときはこんなはずではなかったようだが、その時は潮の関係で海の下に隠れていたのかなと暫し言葉を失い、これでは子どもたちがここで泳ぐのは危険になったと思い、私たちが小中学生の頃よく泳いだ遠浅の白砂青松の美しい千々石海水浴場の変わりように、ある面のショックを受けました。

この石ころたちは当然、潮の流れによって運ばれてきたものでしようが、これも海水温の上昇やコンクリート防波堤の設置などの影響による潮流の変化によるものとしたら、悲しくなります。

防災のためには、強固な防波堤が必要であることは理解できますが、HTBを設計監修された池田武邦先生が西彼町琵琶の首鼻で、環境との共生のため、町が先生の近くの海岸をコンクリート護岸にするよう計画していたのを先生が行政と掛け合い、また、個人的には農家の作物被害の補償を約束してまで設置された自然石の緩傾斜石積みの自然護岸では、コンクリート護岸とは海の生態系が全く違っているのを学びました。

また、35年余り前には橘湾で10隻のタンカーによる石油備蓄が行われた時期がありました。その際、海岸近辺に住む人達から、海に常時浮かんでいるタンカー船の影響からか以前と潮の流れが変わり、海岸の砂が流れて減ったということを聞いたことがありますし、また漁師の人達からは、その後の地球温暖化による生態系の変化などもあって、これまで湾内で獲れていた魚が今ではほとんど獲れなくなっている魚もあるとも聞いています。

自然の崩壊、地球の崩壊が始まっていることに、私たちは真剣に向き合わなければならない時期にあると思いますが、人間は何と愚かなことをしているのかと、腹立たしくもなりました。

 

千々石海岸(ネット写真より)

千々石海岸(ネット写真より)