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安倍さんよ。

2015-06-22

先日の高倉健の本と並行して読んでいたノンフィクション小説「慟哭の海峡」(門田隆将著 角川書店)を読み終えて感動し、そして、考えています。

この間の国会テレビ中継等で、安倍首相が安全保障関連法案を是が非でも成立させたいために、野党の質問に対して「専守防衛は何ら変わらない」と、なりふり構わず屁理屈と思われるようなことを平気で答えているのを見ながら、何度も腹立たしく思っていました。この人の頭の中は彼の国の方ばかりをみていて、自国の民のことはこれっぽちも考えていないんだなと、こんな人が日本の政治家のトップとは何と私たちは不幸なものよ、と諦観してもいました。

この小説の「大正時代に生まれ、正義と自己犠牲を貫き、太平洋戦争を戦い、そして死んでいった膨大な若者たち」のように、現在の若者や将来の子供たちがならないために、日本が戦争や戦争に類するような事態に近づくことは絶対にあってはなりません。

先日の毎日新聞のWebニュースでも、93歳になられる瀬戸内寂聴さんが安保関連法案に抗議する集会に車椅子で参加して、「日本は本当に怖いことになっているぞと、言いたい。前の戦争がいかにひどく、大変かということを身にしみて感じている。しかし最近の日本の状況は、怖い戦争にどんどん近づいているような気がする」などと訴えたことが伝えてありました。

若くして病気で亡くなった私の父も大正生まれで、太平洋戦争時、満州国に出征していました。敗戦(?)で帰国した後に母と見合いして私が生を受けました。

安倍総理には、この本を何冊かまとめて送ってやりたい気分になっています。

 

「慟哭の海峡」(門田隆将著 角川書店)

「慟哭の海峡」(門田隆将著 角川書店)