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小﨑 侃著「慟哭」

2015-07-17

この5月、地元の長崎文献社より被爆七十周年記念企画として出版された小﨑侃先生の『慟哭 松尾あつゆき「原爆句抄」木版画集』が、注文先のAmazonから届きました。

早速、ページをめくってみると、先生が32年余り前(1983年)制作された、見慣れた白黒のたくさんの作品が掲載してあります。

当美術館には、この本に掲載されている原爆句から、侃先生が1984年7月に彫刻作品として発表された2つの句の原型があり、これらを常設展示しています。一点は「おのれ葬りたし わが悲しみ 風化する前」、もう一つは「炎天、原爆許すまじと 若者のうたう」です。「おのれ葬りたし・・・」には、同じポーズをして正面を向き祈っている2体(人)の地蔵が、一体は正常に立ち、別の一体はその横に天地逆さまに描いてあります。「炎天、・・・」は首絵的作品で、四体(人)の地蔵が大きく口を開けて歌っているものです。いずれも、“慟哭”に掲載されている絵とは若干構図が違っています。

ご来館の折には、どうかこれらもご覧になってください。

「慟哭 松尾あつゆき「原爆句抄」木版画集」(小﨑侃著 長崎文献社発行)

「慟哭 松尾あつゆき「原爆句抄」木版画集」(小﨑侃著 長崎文献社発行)