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最近の思い

2015-09-10

安倍政権の安保関連法案の採決が目前に迫ってきたこの時期、何故か気になっていた小学4年生頃に学校行事の映画鑑賞で観た映画「明治天皇と日露大戦争」を、DVDで観直しました。

映画のあらすじはほとんど覚えていませんが、明治天皇役の嵐寛寿郎は真の天皇陛下みたいだと、子供心に強烈な印象を持ったのを思い出しながら、観ていました。

すると、当時、周りの仲間たちや先生たちも教えてくれなかった(多分、私一人が気づかなかったか、忘れてしまったのか?) 私の郷土・千々石町が生んだ大偉人の「橘周太少佐」が遼陽作戦でロシア軍隊と戦い傷を負って戦死する場面が出てきて、テレビ画面にくぎ付けになりました。少佐役は若かりし日の若山富三郎で、映画は日本の海軍がロシアのバルチック艦隊を全滅させて終わるものです。

橘中佐は、私の小中学時代の町内では「軍神」として町民から崇められ、また中学入学当初の社会科の授業では2時間ほど、時の校長先生から中佐の幼少時代から戦死されるまでについての特別授業があり、中佐が東宮武官として後の大正天皇の訓育指導をしたことや、戦闘の最中、臨終の寸前に日本の方向を向き正座して「天皇陛下、万歳!」と叫びながら息絶えた、などという話にはクラス全員が涙を流しながら聞き入りました。(もちろん、真実とは違う面もあるでしょうが・・・)

現在、中佐のお墓がある千々石町城山墓地の一帯に私のところの墓もあり、墓参りの度に中佐の墓の近くを通りますが、中佐の墓にお参りする人を見かけることはほとんどなく、またお花が替えてあったり線香が焚いてあったりすることは滅多にありません。

時代の流れの無情を感じつつ、この度の安保関連法案採決の行く末を案じています。

 

 

DVD「明治天皇と日露大戦争」

DVD「明治天皇と日露大戦争」ジャケット