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9月の活け花とマタギの稽古

2015-09-12

9月に入り、朝晩の風が冷たく感じるようになり、すっかり秋本番といったところです。

活け花も秋の季節感たっぷりの花材となりました。今月一回目はハランと雪柳とトルコキキョウの三種活け、二回目は栗とキキョウランとリンドウの三種活けでした。栗は実がなっていて顔を出しているものもあるので、5才の甥が見ると“食べられる?”と聞きそうです。

また、池坊華道の稽古ではマタギに活けるレッスンも受けています。剣山のない時代には竹筒に枝の二股の部分をはめ込み、枝の間に手前にくる花材から順番に活けていき、活け終わりも枝を使って締め止めます。花材一つずつをしっかりと締めて活けていかなければ前後に倒れてしまい簡単ではないのですが、出来上がりは足元が一直線に揃ったとても綺麗な仕上がりになります。

私の先生の若い頃は、「活け花は足で活ける」と言われていたそうです。現在は便利な道具ができ、花屋で花材も道具も全て揃いますが、先人たちは自分の足で山や野を歩き、欲しい木を切り、花を摘んで、枝や竹を道具とし、創意工夫をして生活を豊かにする活け花を活けていたことをレッスンで伺うことができます。(N)

 

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 ハランと雪柳とトルコキキョウの三種活け  栗とキキョウランとリンドウの三種活け
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 マタギ