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アメデオ・モディリアーニ

2008-05-10

昨今、モディリアーニ作品と彼の稀有な生涯がメディアにも頻繁に取上げられ、国内でも個展が開かれる程に注目を集めるようになりました。私は、ロンドンのテート・ギャラリーで、隅の方にひっそりと展示されてあるモディリアーニ作品2点を鑑賞したことがありますが、10年位前はあまり気に留めておりませんでした。

20世紀初頭、パリのモンパルナスで活躍したアメデオ・モディリアーニ(1884~1920)は、エコール・ド・パリを代表するイタリア出身の画家です。36年の短い生涯に描いた油彩画はほんの300点ほどと言われていて、現存する作品数も少なく、国内美術館での所蔵作品は数点しかないそうです。

モディリアーニは初期の頃、アフリカなどの民族美術に影響を受けた彫刻作品を制作しています。その後、油彩画に転向しますが、その作品のほとんどが肖像画で、彫刻制作で培った表現方法が見事に取り入れられています。単純な構図の中に描かれた人物の長い顔と首、アーモンド形の目、その目の中には瞳を描きこまないことが多く、写実を超えた特異な表現の肖像を得意としています。一度目にしたら忘れられない独自性を持って描かれた人物からは、深い哀愁感が漂い何かを静かに語りかけているように感じられます。

晩年期(1919年頃)にようやく画家として評価され始めたものの、貧困と持病の肺結核に苦しみ、大量の飲酒、薬物使用などの不摂生の末、36歳で生涯の幕を閉じます。2人目の子を妊娠していた妻・ジャンヌも、モディリアーニの死の2日後、後追い自殺をします。悲壮的な最期を遂げてしまったモディリアーニの生涯は伝説に包まれ、映画化もされています。

現在「国立新美術館」及び「名古屋市美術館」で展覧会が開催中です。

『大きな帽子を被ったジャンヌ・エビュテルヌ』 個人蔵

『自画像』 サンパウロ美術館蔵