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句碑「海よ海よ・・・」

2009-05-08

山頭火の句「海よ海よ ふるさとの海の青さよ」を刻んだ石碑が、5月の心地よいそよ風にふかれながら当館入り口で来館の皆様を出迎えています。

この句は美術館を開館する際に、種田山頭火が詠んだ8万とも10万とも言われる膨大な俳句の中から、青々と澄んだ穏やかな橘湾を望めるこの地に相応しいものをと言うことで小﨑侃先生に選定していただきました。 また、句碑に使用する石は侃先生と両親で千々石町の岩山に見つけ求め、侃先生に揮毫して彫っていただいたものです。

この「海よ海よ・・・」は、山頭火が故郷の山口県防府の海を眺めて詠んだ句と言われています。日本国内を行脚し俳句を詠んだ山頭火は、この島原半島にも昭和7年2月に訪れていますが、残念ながらこの愛野の丘では詠んでいないようです。

侃先生は、幼少の頃からお父さんの影響で山頭火の俳句に親しまれ、版画の道に入られた後、これを題材として今までに450点を超える作品を発表されています。どの作品も、山頭火が心のままを詠った自由句と侃先生の作風がとても良くマッチしていて、観る者をほのぼのとした和やかな気持ちにさせてくれます。

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