山本美術館 > ブログ > 生誕130年橋口五葉展 記念講演会

生誕130年橋口五葉展 記念講演会

2011-10-17

鹿児島市立美術館で16日(日)14時からの「橋口五葉 鹿児島が生んだマルチアーティスト」 記念講演会を拝聴しました。講師は、日本における五葉の専門研究の第一人者で美術史家・岩切信一郎先生です。

講演は、今展示会の見どころ作品「黄薔薇」並びに素描、下絵などの新発見資料の紹介、五葉と夏目漱石の関係、五葉の版画制作や五葉の画業の変遷等についてスライドを使って説明と解説がありました。

中でも、漱石が若い五葉の才能を高く評価し自分と同格以上に扱って本の装幀などに丁寧なお願い事をしたことや、作品「三四郎」「それから」「門」の中に五葉を登場させていることなどは興味がわきました。また、五葉が屏風や表具等も自分が行ったこと、今日アメリカやヨーロッパなど海外での評判が高く、外国人が明治から大正時代にかけての版画で一番欲しいのは五葉の版画であることの紹介や、五葉が日本画、洋画、デザインの制作を柱として後の浮世絵研究や版画制作に収束していったこと等は五葉についての深い理解となりました。

講演会後には、岩切先生から持参した本にサインをいただき、また、H先生のおかげで上田稔鹿児島市立美術館館長と館長室で名刺交換、さらに岩切先生を交えた暫しの歓談ができて、皆さまに感謝です。

1318852325_CIMG3951-1岩切信一郎先生と

1318852325_CIMG3954-1