山本美術館 > ブログ > 「森と湖のまつり」

「森と湖のまつり」

2012-09-23

私が高倉健主演の映画を最初に観たのは確か小学6年生の時で、映画の題名は「森と湖のまつり」です。

当時は、私の住んでいた町にも映画館がありましたが、どの映画も封切りからかなり時間が経ってからの上映で、大体毎晩2本立て興行でした。

この映画はチャンバラ映画との併映で、その夜の最初の方(時間)の上映でした。お目当てのチャンバラ映画が気になり、あまりよく理解しないまま観た記憶があります。アイヌ人のために1人の青年が闘う物語で、主人公の青年が牛乳で身体を洗う(拭く)シーンだけは子供心に強く印象として残っていました。

昨夜、半世紀以上を経てこのDVDを鑑賞しました。原作は武田泰淳の同名小説。北海道・阿寒地方の広大な自然を背景に、主人公(若々しい高倉健)が滅び行くアイヌ民族のために闘い、最後は一人、恋人と少年の呼び止める声に振り返りもせず丸木舟に乗って湖の彼方へ消えていく姿に、何か物悲しく切なくなりました。

1348380970_img003DVD「森と湖のまつり」のジャケット