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千々石海岸 福石様のしめ縄

2015-12-03

師走に入って1日の長崎新聞の県南県央地域ニュース欄に、千々石の海の守り神である「福石様」(地蔵さん)のしめ縄が十数年ぶりに新調され、奉納された「清祓式」の記事が写真とともに掲載してありました。

記事では、しめ縄の長さは約20m。十数年前まで、地元の漁師らが年一回新調していたが人手不足で断絶したのを、再開しようと今年「福石様〆縄保存会」が発足し、数十人で作業を進めてきた、地蔵の近くにある鳥居も作り直した、等との紹介です。保存会の会長や、会のメンバーは私もよく知っている人たちで、友人知人らでいっぱいです。会長は記者の取材に対して、「・・・来年以降も毎年続けたい。」と答えています。

私も早速その日の夕方、現地に車を走らせ見てきました。いいものです! 子どもの頃から見慣れていた原風景が蘇り、やはり、いいものです。感動しました。

雲仙別所ダム水系と吾妻山田代原水系の流れが、千々石温泉神社の下方で合流して千々石川となり橘湾に注ぐ河口に在る岩礁の福石様。

その昔千々石が村であった頃、大津波が押し寄せてきて今にも村が押し流されようとしていた時、岩の上の地蔵が海に身を投げると、たちまち大波が引いていったとのこと。それから村民はまた地蔵を祀り「福石」と名付けた、との民話が伝えられています。

千々石町の漁師の方たちのみならず住民みんなで、郷土・千々石の海の神を祀り、敬う気持ちを持ち、大切にし、これからも末永く続いていくことを願っています。

 

千々石海岸の福石様と新調されたしめ縄

千々石海岸の福石様と新調されたしめ縄