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長崎・亀山散策

2009-02-04

長崎県美術館を後にして、亀山焼窯跡を訪れました。

長崎が生んだ陶磁器を代表する「亀山焼」は、鎖国時代に唯一長崎に出入りを許されていたオランダ人向けに作られたのが始まりで、1804年に当時亀山と呼ばれていた場所(現・伊良林)に開窯しましたが、わずか50年ほど作陶されただけで閉窯となり、現川焼と同じく幻の焼き物と言われています。

その亀山焼窯跡のすぐ近くに、坂本龍馬が組織した日本初の商社「亀山社中」跡地があるとの情報をもとに、ランタンに彩られた眼鏡橋周辺から鍛冶屋町~寺町通りを抜け、途中の寺院や道沿いにある古美術店を覗いたりしながら、標識に沿って辿りました。

龍馬通りと名付けられた墓地や民家沿いの狭い坂道は、長崎特有の急な上り坂や階段が続き、息が上がりフウフウ言っていると、降りて来られた年配者から「まだまだ上るよ、頑張れ!」と声を掛けて頂きました。

ようやく亀山社中跡に着きましたが、現在は建物内に入ることが出来ず、標識のみが建っています。すぐ傍の展望台にはブロンズ製の「龍馬のぶーつ」と「舵」が設置されていて、ここからは長崎市中心部から稲佐山までを展望出来ます。そこで記念撮影をする順番を待ちながらベンチで休憩し、その後亀山焼窯跡へ向かいました。

亀山焼の登り窯跡は説明板が取り外されてあり工事中のようで(多分「龍馬伝」撮影に合わせた改装工事だと思いましたが)、窯跡らしい壁面しか見ることが出来ませんでした。

来年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」放映が決定し、龍馬役には長崎出身の福山雅治が抜擢され、長崎市内を中心に龍馬ムードが高まっている中、今日も平日に関わらず多くの観光客が龍馬ゆかりの亀山の地を訪れていました。しかし、(標識や案内板もない)亀山焼の跡地を見る人は誰もなくとても残念に思いました。今後、龍馬ムードに後押しされ、亀山焼がもっと世に知られる存在になることを期待しています。

当館にも白磁に青色で植物や模様を描いた中皿と小皿数点の亀山焼を常設展示しておりますので、ご来館の折にはご覧になって下さい。

色彩豊かなランタンで豪華に飾られた長崎市内を、観光客気分で楽しくゆっくりと散策することが出来て、満足な一日でした。

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長崎眼鏡橋

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興福寺

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龍馬通り 入り口

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龍馬のぶーつ

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亀山焼窯跡