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遠藤周作著「沈黙」を読んで

2009-03-10

遠藤周作の著書「沈黙」を手に取って見ました。

1637年の「島原の乱」後のキリシタン禁制が厳しかった日本に密入国し潜伏布教を行うものの、残忍な拷問と日本人信者の殉教に接し、最後には背教してしまう一人のポルトガル司祭を主役とした歴史文学です。

人間の気力の限界を越えた苦難にも関わらず、神は沈黙を続けます。不信者の私ですが、信仰の論理とはいったい何なのか、深く考えさせられる一冊でした。

この「沈黙」の舞台となった長崎市の外海地区には「遠藤周作文学館」があり、数年前に父の案内で出かけたことがあります。五島灘を一望できる景観の美しい場所に、すっきりとした展示室に喫茶ルームが併設されています。 日本を代表する遠藤周作の文学は、ドラマチックな作風で吸い込まれるように読むことが出来ました。