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中島宏の「青磁」

2007-12-06

当館に常設展示をしている青磁の大壺作品は、陶芸家「中島宏」の作品です。

中島宏は、佐賀県武雄市に窯を持つ陶芸家です。「中島青磁」と称される独創的な作品は高い評価を受け、今年の7月に青磁で国重要無形文化財(人間国宝)に認定されました。

青磁というと中国や韓国の作品を思い浮かべる方も多いかと思います。中国宋の時代に美の頂点を迎えたとされる青磁は、陶芸の中で最も難しいとも言われています。青磁の制作には、高度な知識と技術が必要なので日本人陶芸家には敬遠されがちだったそうです。しかし、中島さんは「それなら自分の存在感が出せる」と1960年代の後半から青磁の制作に挑み、研究と試行を重ねながら現在に至るまで、ほとんど青磁一筋の作陶活動を続けています。

当館に展示している作品は造形が美しく、光によってある時はブルーだったり、ある時はグリーンに見えたりと様々な表情を醸し出す魅力があり、趣き深いものです。まさに「青を極めた」中島宏の作品を、ご来館の際には是非とも御覧いただきたいと思います。