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訃報に接して

2020-01-27

数年前に、このブログである先生との思い出について触れましたが、新年明けてこのたび、先生の息子さんから昨年9月に他界されたとのお知らせをいただき、大変驚き、ショックを受けています。

東海地方のある大手私立大学に永年勤められ、学部長や大学院研究科長などを歴任後、晩年は学長職を務められた先生から昨年戴いたお年賀に、“杖なしでは歩けなくなりました”との添え書きがあり、私より3、4歳年上でまだ若いのにどうされたのかな、と気になっていました。

先生がまだ私と同じ長崎の私立大学にお勤めの時、私は事務職でしたが先生に仲良くしていただき、先生の研究室へはよく出入りしていました。

経営学の先生とは当初、教職員組合の活動で親しくなり、先生と接している中で知らず知らずのうちに物の見方や考え方など様々なことに影響を受け、若かった私の中では先生は良き兄貴的な存在でした。

また、休日には他のメンバーを交えて大学内のコートでテニスを楽しんだり、市公会堂で行われた栗原小巻主演の舞台公演を観にいったり、また復帰前の沖縄に旅行した先生がお土産に買ってきたウイスキー「オールドパー」を先生の下宿先でご馳走になったり、ある時は一緒に松山へ出張し、夕食後に市内を散策していたら行き帰りの2回も客引きの同じ女性から声をかけられ、二人で慌てて宿泊先の旅館へ逃げ帰ったり、また新婚早々の先生宅へ泊ったりしてお世話になったこと、映画の趣味では先生は松竹の「男はつらいよ、フーテンの寅さん」派、私は東映の「任侠映画」専門など、改めて懐かしく、寂しく想い出されます。

人の命の儚さは、息子の死で一番感じていますが、身近に想っている方々との永遠の別れもことさら感じ入るものがあります。

 

中根敏晴先生のご冥福を、長崎雲仙の地より、心からお祈り申し上げます。

 

     (ネット写真より)