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レンギョウの古典生花(しょうか)

2021-03-13

池坊の先生から「レンギョウの季節になったら懸崖を活けますよ」と前々から言われていて、3月に念願の稽古となりました。

懸崖とは高い所から垂れているような趣をあらわした活け方で、池坊では古典生花の一つです。竹の二重切りを持参して上段にはレンギョウと小菊を、下段にはアイリスを活けました。

花器の高さは約70㎝。全高が1mを超す活け花になりますので、いつものように座って活けるのではなく立って作業をしました。まず、レンギョウの役枝を切り落とし、夫々にタメを効かせて垂れ流れるように活けます。そして体に小菊を挿して上段の終わりです。次は下段ですが、蕾のアイリスにある工夫を施し花を咲かせて役枝通りに活けるとレンギョウの二重切りを使った古典生花の完成です。

初めてのスタイルで役枝の配置もいつもと違い、自然の逞しさや生命力を感じる活け花となりました。先生から「目の保養をさせて頂きました」とお言葉があり、大満足で帰路につきました。

今回の活け花は美術館入口の飾り棚にはサイズが大きすぎて合わないのですが、ご来館の皆様にも見て頂きたいので、敢えていつもの場所に飾っています。(N)