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千々石ミゲル墓所調査プロジェクト主催の講演会

2021-07-07

7月3日(土)、「千々石ミゲルが棄てたのは、‟信仰”ではなかった-」とセンセーショナルな表題を掲げて千々石町公民館で行われた講演会に参加しました。

第1部の講演は、プロジェクト代表で千々石ミゲル子孫・浅田昌彦氏の「浅田家と千々石ミゲル」、並びにプロジェクト調査統括で石造物研究者・大石一久氏の「伊木力墓所を千々石ミゲル夫妻墓所とした根拠」。

第2部がパネルディスカッションで、テーマは「千々石ミゲルとその後半生-第四次発掘に向けて-」。パネラーは講演のお二人に加えて、発掘調査副担当の安楽勉氏とプロジェクト副代表の町田義博氏。

浅田氏の話は、なぜ浅田家が千々石ミゲルを数百年に渡って祀ったのか、大村藩との関わりから墓所調査に至る経緯までを。大石氏の話は、伊木力墓所を千々石ミゲル夫妻墓所とした根拠について、被葬者を特定する七つの条件を掲げ、この条件を満たすのが千々石清左衛門ミゲルただ一人であることから結論付けたという内容でした。

第四次発掘調査は8月2日から10月8日迄行われますが、今回が最後の調査で、クラウドファンディング方式で資金調達を募っているということです。

また、大石氏は、あまり期待すると、(良い遺物は)出ない、ということもあるので、と過度の期待に釘を刺されましたが、今日の講演会を聴いてはワクワクする歴史のロマンを強く感じ、また至純の人と謳われている郷土の偉人「千々石ミゲル」の武士道精神に基づく日本人としての‟人となり”に結び付くようなことがだんだんと分かってきており、ますます誇りと尊敬の念が深まってきています。

最終発掘によって、ミゲルの後半生が明らかになること、大きくは日本のキリスト教史を覆すような遺物が出てくることを、本日の入場制限にもかかわらず80名近くの多くの参加者があったことを(主催者ではありませんが)嬉しく思うと共に期待せずにはいられません。