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DVD鑑賞

2022-05-07

先日は久しぶりに田宮二郎主演のDVDを観ました。

昭和39年に製作された大映映画の「宿無し犬」です。一匹狼の鴨井大介という拳銃使いの現代やくざに扮して悪と闘う物語ですが、これが好評でその後「犬シリーズ」として8作品作られています。

田宮二郎は知的で現代的な二枚目として映画デビューし、勝新太郎と組んだ「悪名シリーズ」や一種の企業スパイ映画の「黒シリーズ」など、シリーズ物3本を持ち大映の看板俳優として活躍しますが、ある映画の宣伝ポスターの俳優序列で会社に抗議して社長に一方的に解雇され、映画界も追放されました。

その後、彼は家族を養うためにテレビ界に進出して特に「クイズタイムショック」の初代司会を務め、この番組は彼のソフトな語り口が人気となり高視聴率を記録し、私共も毎週楽しみに観ていました。また、田宮と同年代で博識の義兄(家内の長兄)がこの番組(チャンピオン大会)に挑戦し全問正解で見事優勝して海外旅行(ハワイだったかな)を獲得したこともあり、またその後一時期は番組の問題作成の監修委員の一人として関わりを持ったことがあって、私と家内にとっては田宮二郎も好きな芸能人の一人でした。

しかし、一旦は干された映画界にも復活し、映画とテレビの「白い巨塔」の財前五郎役が絶対的な当たり役となり活躍していた彼が強度のうつ病を患っていたとはいえ、どのような事情があったか知らないが43歳の若さで散弾銃により自殺した時はたいへんショックを受けました。昭和53年の私共が31、2歳の時です。

彼が生きていたらもっとたくさんの映画が観られたのにと思うと、残念でなりません。

 

DVD 「宿無し犬」のジャケット