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活版印刷の体験

2023-02-15

先日、お山雲仙の旧富貴屋旅館の跡地に新しくオープンした「界 雲仙」へ宿泊しました。

全国に展開する温泉旅館ブランド「界」では、それぞれの地域の特徴的な魅力を楽しんでいただけるような伝統工芸や芸能などを満喫できるおもてなし「ご当地楽」が用意してあり、界雲仙では「活版印刷の体験」をすることができました。

1590年、ローマに派遣された天正少年使節団によってグーテンベルク活版印刷機と技術が日本に持ち帰られ、日本で最初にその活版印刷機で印刷されたのが島原半島の加津佐町だったことは知っており、同町の図書館に展示されている印刷機のレプリカも10数年前に見学したことがありました。体験では最初に活版印刷の歴史の解説があり、それから印刷方法の説明を受けて実際にポストカードサイズの用紙に印刷をすることができます。まず、金属の角柱にローマ字、ひらがな、かたかなが反転して掘り出してあるハンコから文字を選んで溝に並べて埋めるというとても単純かつ簡単な作業でプレス用の版が出来ます。その版と用紙を印刷機にセットしてインクを塗りプレスするとあっと言う間に印刷が出来上がり、用紙には印刷部分の凹凸もついていて、なかなか味のあるものになりました。

体験では20文字以内と指定されていたのでほんの数分で出来上がりましたが、本や新聞のような活字が多いものになると文字列を作っていくにも根気のいる作業だったろうと思います。しかしながら金属のハンコなので一度版を作ると大量印刷ができ、当時は画期的な印刷方法だったことがよく分かりました。

今回は宿泊者だけが体験できるアクティビティで、初めての活版印刷の体験ができて感動しました。(N)