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牡丹

2008-04-25

先日、ちょっと諫早市立森山図書館へ出かけました。

国道57号線から森山図書館まで続く沿道の両側には、八重桜やつつじ、デージーにパンジーなどの花々が今を盛りに綺麗に咲き並んでいました。中でも図書館の前では、白・ピンク・赤・紫色の「牡丹」が見事に咲き誇っていました。私は、牡丹の花の美しさを少し羨ましく思いながら見て、写真を撮りました。と言うのも、私は花の中では大輪の花びらが美しい「牡丹」が大好きです。

牡丹は中国原産の花で、日本には奈良時代に渡来したそうです。文学に登場したのは清少納言が書いた「枕草子」が最初と言われています。

また、牡丹はその豪華で気品のある姿や芳香などから、東洋では富貴の象徴として愛でられ、とりわけ、日本絵画では「孔雀に牡丹」、「獅子に牡丹」、「松に牡丹」などと豪華な図柄を形成するモチーフとして好まれたくさん描かれてきました。特に、「獅子に牡丹」では、獅子は「百獣の王」、牡丹は「百花の王」と言われ、花文様の中では良い組み合わせとされています。

私は、残念ながら植物を育てることは苦手な方なので、美術館の庭に牡丹を植えるのは諦めて、実物の代わりに絵画に描かれたものを観ることにしております。

諌早市立森山図書館前の牡丹

  円山応挙『牡丹孔雀図』個人蔵