山本美術館 > ブログ > 平城京遷都1300年観光旅行(2) 東大寺

平城京遷都1300年観光旅行(2) 東大寺

2010-05-12

次に、世界遺産の東大寺へ向いました。

まず、国宝建造物の南大門。門の高さは25m以上もあり大仏殿に相応しい国内最大の山門で、門柱には二体の仁王像が向かい合って立っています。天平創建時の門は平安時代に倒壊し、現在の門は鎌倉期に東大寺を復興した重源上人(ちょうげんしょうにん)が再現したものです。

南大門を抜けると威風堂々とした大仏殿が目に入ります。大仏殿の創建当時は今より20mも高い86mの高さだったと言うから驚きです。 大仏殿内に入ると、中央には奈良の大仏様で親しまれている「廬舎那仏」がまっすぐを見据えて堂々と座っています。752年、聖武天皇の発願から9年の時を経て、高さ15mの巨大な仏像は完成しました。全身が光り輝いて世界を照らす仏「廬舎那仏」を形として表すには、この大きさしかなかったそうです。

この大仏をよく観察すると、顔はつやつやとしているが身体の部分は緑青をふいてざらざらとしています。それはこの仏像が二度も戦火にさらされたためとのことです。その修復の大勧進を努めたのが鎌倉期の重源と江戸期の公慶で、大仏と大仏殿の再興には両者の力が大きく貢献しています。大仏の輝く顔と青みを帯びた身体には、ただ座り続けていたそれだけではない歴史が刻み込まれ今に受け継がれてきています。

境内東側には国宝建造物の「二月堂」と東大寺建築の中で最古の建物「法華堂(三月堂)」などがあり、東大寺内をゆっくりと散策していると、何故か顔がほころんできました。

天平、鎌倉、江戸、明治、そして現代と長い歴史をつなぐ「もの」を肌で実感できて、とても感動しました。

1273638228_CIMG9470-1南大門を背景に

1273638228_CIMG9445-2南大門の仁王像(左:阿形 右:吽形)

1273638228_CIMG9451-1威風堂々の大仏殿

1273638228_CIMG9459-1大仏殿の大仏(廬舎那仏)