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福岡市博物館の常設展

2010-08-08

福岡市博物館では、常設展示も鑑賞しました。

常設展示室・総合では、奴国から現代までの歴史とその時代に生きた人々の暮らしにスポットを当て、資料と映像で紹介してあります。また、目玉は志賀島出土の国宝「漢委奴国王」金印(実物)です。

次に、常設展示室・部門別では福岡市とその近郊の歴史と文化を4つの部門で、年間4回の入れ替え展示で紹介しています。

歴史展示室では、所蔵の戦時関係資料を展示するシリーズの19回目として「戦争とわたしたちのくらし」が開かれていて、今回は「銃後の備え」がテーマです。空襲に備えての防空訓練や準備、人びとが強いられた心構えなどを描いた当時のポスターが展示されていました。戦時中の人々のくらしを思い、改めて「戦争と平和」を考えました。

黒田記念室は「博多人形名品展―原田嘉平の世界―」で、大正・昭和期を代表する博多人形師・原田嘉平氏の博多人形コレクションの紹介です。日本画の伝統的美人を思わせる繊細でか弱そうで儚げな表情が印象的でした。また、訪館当日から展示が始まった重文「銀箔押一の谷形兜黒糸威五枚胴具足」は黒田長政所用の「一の谷」と言われる奇抜な形をした兜で、その形は源義経の故事で著名な一の谷の崖を表しています。長政は関ヶ原の戦いでこの兜を実際に着用したとのことです。

その他に、美術・工芸室の「染織シリーズ8 江戸時代のCOOL!」と考古・民俗展示室「集い遊ぶー福博の楽しみー」を足早に見て、福岡の歴史や民俗を通して文化の発展を感じることができました。

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1281229974_img447-1重文「銀箔押一の谷形兜黒糸威五枚胴具足」