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千住博著「わたしが芸術について語るなら」

2011-04-13

千住博の「私が芸術について語るなら」(2011年2月刊行)を読みました。

千住博(1958年~)さんは、ニューヨークを拠点に世界で活躍する日本画家で、スケールの大きい滝の絵で有名です。当館がお世話になっている熊本市内の額装店入口のメイン作品として千住博さんの「ウォーターフォール」が飾ってあり、店内の数ある作品の中でも飛びぬけた存在感を醸し出しています。

本書は児童向けに刊行されたものを大人版に編集し直した作品です。千住さんは、芸術関係の教養書は数多くあるが、専門家が居丈高に難解な言説を使った書物が多く、これでは芸術から人々が遠退いてしまうとの気持ちから可能な限り易しい言葉で最高度の内容を伝える芸術の入門書を書き上げたそうです。

千住さんのいう芸術とは、自分の思いを他人に伝える伝達方法の一つで、人と人が仲良くする知恵でもあると締めくくられています。自身の経験を例に出しとても分かりやすく纏めてあるので、芸術がよく分からないという方々や芸術に興味を持つ人などに読んでもらいたい一冊です。

1302664704_img539千住博著「わたしが芸術について語るなら」

(2011/2/14 ポプラ社刊) 表紙