山本美術館 > ブログ > 花菖蒲の活け花

花菖蒲の活け花

2011-05-15

先日の華道のお稽古は「菖蒲」の一種活けでした。

池坊華道では菖蒲も伝花の一つで、特別な活け方があります。 葉の裏表や重ね方を教わりながら花菖蒲の出生を生かして花も葉も真っ直ぐに高く活けていきます。そうしたできあがった菖蒲の活け花は、伸びやかで凛々しくすっきりとしています。

アヤメ科の植物は見た目がとても良く似ていますが、菖蒲はその特徴から男性の花とされていて、燕子花(かきつばた)は葉や茎が緩やかにカーブしているので女性の花とされているそうです。 菖蒲と燕子花の活け方も全く違い、1856(安政3)年に書かれた池坊専明識語「生花活方聞書写」に『せうぶは花咲揃ふは出生也 依之水際をすかしひきく遣ふ時は燕子花に似て花菖蒲とは見分がたき』とあるように、菖蒲は花咲揃うのが出生であるから花も葉も直ぐに高く活けて、燕子花の姿にならない様にします。

池坊華道は、花の自然のままの姿を生かして美しく活けることが教えの根底にあり、それぞれの花の特徴をより知るいい機会にもなっています。

1305428437_CIMG2793-1美術館入口の菖蒲の活け花