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濃茶と古帛紗(こぶくさ)

2011-07-17

先日の茶道のお稽古日、先生から私の誕生日プレゼントにと、ブルーグレイの生地に坂本龍馬の家紋と空を駆け巡る龍が描かれた素敵な古帛紗を頂きました。

濃茶は茶事において最も大切なおもてなしとされ、連客の飲み回しとするのが通常です。鮮やかな青緑色の薄茶に対して、濃茶は黒味を帯びた濃緑色をしていて、茶杓にたっぷり3杯ほどを一人分として練っていきます。また濃茶の場合、楽茶碗以外のときは古帛紗を添えるのが普通です。

古帛紗は濃茶をいただく時や道具を拝見する時に使用する小さめの帛紗で、名物裂(めいぶつぎれ)から現代的な意匠デザインのものまで様々あります。名物裂とは鎌倉時代から江戸時代にかけて主に中国から日本に伝わってきた最高級の織物で、茶の湯の世界では由来により様々な名前が付けられ、名物といわれる茶器の仕服、古帛紗、掛物の表装などに使われました。

茶人達は茶器や書画にとどまらず道具の一つ一つまでにこだわり、洗練された美的感覚を発揮していたのがよく分かります。

1310872481_img573古帛紗 龍馬紋