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映画「あなたへ」

2012-08-26

高倉 健主演の映画「あなたへ」を鑑賞しました。

亡き妻が遺した「故郷の海へ散骨してほしい」という絵手紙を受け、主人公が妻の真意を知るために富山から妻の故郷の長崎県平戸市の漁港・薄香へキャンピングカーで旅を続ける。途中、多くの人々と出会い交流しながら目的地に着いて、妻が残した最後の手紙を受け取り、遺言に従い船上から散骨するというストーリーです。

旅の途中の、妻との回想シーンとして登場する天空の城みたいな竹田城跡(兵庫県朝来市)は、日本にもこんな景観の場所があるのかと驚きました。そして、散骨を終えた帰りの主人公が薄香漁港で防犯灯のオレンジ色の灯りの下、船を繋ぐ石に座り暗い海を見つめながら、妻の想いや自身の想い、大切な人の大切な想い、(そしておそらく人のさまざまな想いにまで)を巡らせている場面が一番印象的で、ジーンと涙が滲んできました。

主人公が祭りで賑わう門司港のレトロ地区を歩く後姿に、山頭火の「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく」という句が字幕で重なってラストシーンとなりました。

高倉健ファンのみならず、若い人たちにも是非観て欲しい映画と思います。

1345959064_img001映画「あなたへ」のパンフより