鶴田一郎・美人画展in長崎
2013-06-06
長崎市内のKTNギャラリーで5月31日から6月2日までの3日間開催された「鶴田一郎・美人画展in長崎」へ行ってきました。
約50点の版画と原画が展示販売されていて、熊本県出身の美人画家・鶴田一郎さん特有の切れ長の目に黒い長髪の女性像などが妖艶に並んでいました。
なかでも、「魅惑のミューズ」(版画)は赤と黒の背景に三日月が浮かび、画面中央には細くカーブした金箔の和紙模様が描かれた和洋折衷の中で、黒いドレスを身に着けて足を組み座る女性の強い眼差しが印象的な一作品です。また、「BOSATSU」は二種類の版画で描かれていて、一つは全体的に黄金色に輝く女性菩薩像、もう一つは淡いピンクとトルコブルーが美しい女性菩薩像で、どちらも綺麗に化粧が施されていて、指先までもがピンと美しく形作られていました。
今回は、赤黒の原色を使ったくっきりと芯の強そうな女性から、淡いパステル色で纏めた柔らかい髪の毛がさらさらと揺れる涼しげな女性まで、いずれも表情豊かに描かれた鶴田さんの色彩の美しさが際立つ展覧会でした。(N)
パンフレットの表紙
「BOSATSUⅡ」(パンフレットより)