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エニシダと小菊の二種活け

2014-10-06

今週のお花はエニシダと小菊の二種活けです。 エニシダは春頃に蝶の形をした黄色の花を群がって咲かせる落葉低木で、金色の雀が枝に連なる様子に見立てて和名では「金雀枝」とも言われています。

今の時期のエニシダは、花も葉もなく一枝に何十本も細い小枝が束なっています。魔女がまたがっている箒は、このエニシダを束ねて作ったものと言われています。 真はS字にカーブをつけ、一本だけ垂れ下がる枝を作り、副は流れるように奥行を出して広がりを持たせ出生の美しさを出します。これらは自然の中で枝の重みで小枝が広がりながら風に揺れる様を表現しています。形が出来上がったら枝が重ならないように一本一本捌いていきます。とても根気のいる作業ですが、無の状態になって黙々と作業するのは嫌いではありません。 体に紫色の小菊を入れて、シンプルだけど私好みの活け花が出来上がりました。(N)

 

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