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横山宏章著「長崎 唐人屋敷の謎」

2014-12-19

父の書斎で、目に留めた一冊の新書「長崎 唐人屋敷の謎」(横山宏章著)を手に取ってみました。

鎖国時代、貿易で渡来した唐人の密貿易を阻止する対応策として、1689(元禄2)年に現在の館内町に創設された唐人屋敷。高い塀で囲われ、長崎奉行の厳しい監視のもと、多い時には2~3千人の中国人が暮らしていました。唐人屋敷が消滅する1870年まで181年間存在していましたが、大火の影響で今はその面影はほとんど失われています。長崎出島と比べても、人口や面積は数倍あった唐人屋敷ですがこれまで影が薄く存在を忘れられている気がしてなりません。

長崎出島は復元され、長崎市内に現存した洋館は移築されグラバー園として観光名所となっています。唐人屋敷の復元は難しいでしょうが、もっとスポットが当たってもいいように思います。(N)

 

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 「長崎 唐人屋敷の謎」(横山宏章著 集英社新書)